第3回パレオアジア文化史学研究大会を、2017年5月13日(土)~14日(日)に国立民族学博物館で開催しました(プログラム)。研究大会では、「新人文化のモビウスラインとビーズ」と題するワークショップが開催されました。モビウス・ラインは、アメリカ考古学者Hallam Movius (1907 -1987)によって導入された概念で、アシュール型握斧を利用の有無を分ける地理的境界線です。初期現生人類ホモサピエンスが拡散した時代にも、同様の地理的境界線があったのでしょうか? パレオアジアの文化史を理解無するためには、今後もより詳細に検討していく必要がありそうです。
計画研究A03は、モビウス・ライン-気候学的な解釈(北川浩之)、エージェントモデルを使った文化伝播と棲み分け現象の考察(北川浩之)、OSL年代測定の試料採集の留意点(田村亨)、出来島海岸最終氷期埋没林における花粉分析の予備的結果(藤木利之, 北川浩之)、レス-古土壌シーケンス記録からみる最終氷期におけるアジア内陸の古環境変動(長谷川精)、大陸内部域における降水量変動復元とその変動要因(奈良郁子)の6件の研究発表を行いました。