ベトナムの中部高原、ザライ省の都市で同省の省都「プレイク」(Pleiku)。ベトナム戦争中には、アメリカ・南ベトナムの基地であった。1975年に南ベトナム軍が撤退、1980年に旧ソビエト連邦によって再建された。2001年~2004年には、山間民族(高地系の少数民族)の反政府運動の場となった。
ベトナム中央高原のPleiku-Buon MeThout地域には、過去の火山活動で形成された火口が多数分布している。火口湖の堆積物には、過去の気候変動や植生変動の歴史が記録されています。プレイクでの火山活動が活発であったのは、635~480万年前、340~260万年前、40~20万年前とされています(Hoang et al., 2013)。プレイクに分布している火口の堆積物を採集し、各種分析を行えば、過去数十万年間の気候変動を復元できる可能性があります。
平成2013年から2016年には日本学術振興会・二国間交流事業(共同研究)「東南アジアの気候変動災害被害の低減にむけたベトナム湖沼堆積物からの古洪水の探求」(代表:北川浩之)に、ベトナム科学技術アカデミー地理研究所のPhong Dng Xuan准教授と協力して取り組みました。2017年には再度、パレオアジア文化史学の課題の1つとして、プレイク地域の火口湖の堆積物の採集を行いました(平成28年度パレオアジア文化史学計画研究A03度報告書)。今後、堆積物の分析・解析を行い、東南アジアの気候変動の詳細を探る予定です。